2009年08月17日

この世の不条理さに哀しさを感じずにはいられません

お盆期間中はいかがお過ごしでしたか?
ファイナンシャルプランナーの鬼塚です。

私はこの時期になると終戦記念日があることもあり、
いつもより戦争について考える時間を意識して多くとるようにしています。


以前このブログでも書きましたが、
私は物心がついた頃から戦争について考えることを
避けるようにして生きてきました。

夏休みの出校日に平和学習の一環で戦争に関する映画を観た日には、
留保の無い恐怖が私を支配しました。

その日から1週間ほどは飛行機の音を聞くたびに、
B-29の空襲のシーンが頭の中に浮かんできました。


そのような私が戦争と向き合おうと意識し始めたのが2年ほど前のことです。

きっかけは、そのことに向き合わなければ
私の人生を一歩前に押し進めることは出来ないと感じたからです。


今年のお盆休みは、アメリカでは日本との戦争がどのように語られているのか、
という今までは思いつきもしなかったことに興味を持つようになり、
一冊の本を読みました。

「相対性理論」を分かりやすく解説した本です。


相対性理論はご存知の通りアインシュタインが打ち立てた理論です。

戦争と何の関係があるのだろうと感じる方もいらっしゃるかと思いますが、
関係してくるのは相対性理論ではなくアインシュタイン自身です。

ご存知の方も多いかと思いますが、
アインシュタインはもともとはドイツに住んでいました。

ところがナチスの台頭によりユダヤ人への差別と迫害が本格化したため、
1933年10月にドイツを離れてアメリカに移住しました。


アインシュタインは若い頃から一貫して、熱烈な平和主義者でした。

しかし1933年をさかいにその主張に変化が見られます。

「私は以前と変わりなく熱烈な平和主義者です。
ただし、兵役を拒否するという手段をヨーロッパで再び提唱できるのは、
侵略的な独裁国家から民主的な国への軍事的脅威が存在しなくなったときのことです」

アインシュタインは1939年8月、アメリカのルーズベルト大統領に対する
原子爆弾開発の進言書に署名しました。

ドイツが先に原子爆弾を所有することを恐れての行動でした。

その6年後、広島と長崎の上空で2つの原子爆弾が炸裂し
数十万人の命を奪いました。


そして戦後、湯川秀樹がアメリカに訪れた際にアインシュタインは、
自分が原子の力を兵器に使用できると漏らしたことで原爆が造られ、
日本人を殺すことになったと涙ながらに謝罪しています。


私はこの一連の出来事を知って、
なぜ平和を追い求める人間が恐ろしい殺戮兵器の誕生の
きっかけにならなければならないのか、
この世の不条理さに哀しさを感じずにはいられませんでした。


ものごとは良い悪いという一面的なものさしで量ることはできません。

善悪の判断基準はそのときの環境、時代背景、その人の立場によって変わります。

私はそのことを頭では理解しているつもりです。


しかしそれでも哀しいという感情をおしとどめることができません。

私に出来ることはその事実を含めた戦争というものから目をそらさず、
きちんと向き合い日々を大切に過ごしていくことだと感じています。


それでは、また。


参考文献
カラーでわかる! 相対性理論/佐藤 勝彦





Posted by 鬼塚祐一 at 22:25│Comments(0)
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